プロローグ

森に行きたい。

 

どうしてその時にそう思ったのかは今でもよく分かりません。
しかしそう思い立った僕は、早朝にもかかわらずクルマをとある場所へ走らせました。
すでに2時間は走ったでしょうか。
目的地に着くと辺りはうっすらと霧がかってきました。
クルマを停め鬱蒼とした森の中に一歩足を踏み入れると、
僕は何かに優しく導かれているような気持ちになりました。
少しひんやりとした静かな森の中をしばらく歩き続けると、
木々の隙間から射しこむ僅かな光に照らされた、
今ではすっかり廃墟となってしまった旧い洋館を見つけました。
導かれるまま僕は大きく重い扉を開け、
その建物の中へと入ったのです。

 

中に入ると直ぐに高い天井の大きなホールがありました。
辺りを見回すとアンティークな雰囲気のソファや
立派だったであろうテーブルは既に朽ち果てています。
ひび割れた窓から入る明かりを頼りに、
一歩一歩部屋の奥へと進んでいくと、
その先に何かが置かれていることに気付きました。
時を刻む事を忘れた大きな時計の下に
ポツンと置かれてあったのは、
青く錆びついた一台のカメラと
埃まみれになった一枚の写真でした。

 

誰なんだろう…….

 

その中に写る女性は一体誰なのか。

 

そして後に、僕はその女性を知ることになるのです。

 

この物語の続きは、来週の月曜日に。

 

A10X3524

プロローグ
Tagged on:

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。